叔母をみとる

父の妹である私の叔母夫婦には子供がなかった。
2005年3月14日に父が亡くなってから、次第にこの夫婦が生活に困窮していることがわかりはじめ、ふとしたことから私と夫で面倒を見ていくことになり、七転八倒していくという、実際に私が経験した壮絶な戦いのストーリー。

現代では意外にも多くの人の目の前に起こる可能性があるようだ。同じような立場にある方がいれば、解決の方法論と勇気が少しでもお役にたてればと思い、いつか、とは言わずに、ここに書き始めることにする。

叔母をみとる 第12話 人生最大の危機 叔母をみとる

叔母をみとる 第12話 人生最大の危機

2013年は年明けから昼夜を問わず会社の仕事が忙しかった。 2月に一息ついた時、伸さんが「この間、甥と買い物に行った時に面白いサイクリングコースを見つけたんで、しのぶを連れて行きたいんだけ戸、行かないかい」と言うので、茶々丸を連れて出かけることになった。 森下から深川に向かう通りに掛かる橋の遊歩道を…
叔母をみとる 第11話 他家の葬儀を行う 叔母をみとる

叔母をみとる 第11話 他家の葬儀を行う

ご遺体の引き取り、葬儀、埋葬。。。 さて、他家だし、どうしたらいいのだろう。お寺は???、20年位前に父に連れられて行った事があるけど、沼津の方だったと言うだけで名前も場所も定かではない。 何もわからないまま中学の同級生が継いでいる葬儀社に問い合わせをした。 父の葬儀もお願いしたところなので、我が家…
叔母をみとる 第10話 義叔父の死 叔母をみとる

叔母をみとる 第10話 義叔父の死

2012年7月1日に叔母が亡くなり、その葬儀の後、葬祭費用や病院代も支払えないという義叔父に金を渡した。そこで、私は義叔父への連絡を途絶えた。叔母の死をもって、全て終わったと思った。寂しいけど、家族もそれで一区切りと考えた筈である。 あの夏の家族旅行はとても楽しかったな。そんな素敵な時が過ぎ、秋を迎…
叔母をみとる 第9話 ガンと困窮との戦い  叔母をみとる

叔母をみとる 第9話 ガンと困窮との戦い 

叔母のふみ子は数年前から胃が悪いということで、家から歩いて行ける小さな病院に通っていた。この胃痛は全く治らず、あるとき別の大学病院の先生が来院しての診療時に、胃が痛いけど胃はなんでもないんだよ。膵臓が腫れているのだと診断された。 そういった経緯もあり、今回もひどく胃が痛むので通院時に先生に相談したよ…
叔母をみとる 第8話 実は二人の生活は… 叔母をみとる

叔母をみとる 第8話 実は二人の生活は…

私は正月が開けて間も無く、旅行土産を持って、ふみ子のところに新年の挨拶に行った。「房州に行ってきたよ。叔父ちゃんたちも元気にしていたよ。叔母ちゃんたちのことを話したら、心配していたけれど、お金のことはそれぞれがしっかり解決するようにと釘を刺されてきたよ」と、本家の叔父の話もしてみた。そこで、私は思っ…
叔母をみとる 第7話 返済ができない 叔母をみとる

叔母をみとる 第7話 返済ができない

2007年8月、ふみ子の夫の連帯保証人になった。 その時、◯◯信用金庫とふみ子夫婦へ私から出した条件は、2年以内に母屋を売却し、老後の体制を整えること、というものだった。 それからしばらくは何の連絡もなかったので、私もいつもの生活に戻っていった。 2・3ヶ月経った頃に、私もふみ子のことが気になってい…
叔母をみとる 第6話 連帯保証人 叔母をみとる

叔母をみとる 第6話 連帯保証人

自宅へ帰るなり私は、息急き切って夫の伸さんに、今日の出来事をすっかり話しだした。まずは相談というよりも、びっくりした気持ちを聞いてもらいたくて、事細かに話していった。 しかし伸さんは、う〜ん、そうか、大変だったな〜。と言って熱心に聞いてはくれたものの、あまり驚く様子はなかった。 不思議に思って問いて…
叔母をみとる 第5話 土地を買う 叔母をみとる

叔母をみとる 第5話 土地を買う

父の3回忌から間も無くして、ふみ子から電話があった。ちょっと相談があると言うのでその週末に叔母のふみ子夫婦の家に出かけていった。 「先だっての法事はお天気もよく、長閑かな感じで執り行われて、これも来てくださった皆さんのおかげだと思うよ。」とお礼を言うと、叔父たちは「お前もこれで父を亡くしてしまって淋…
叔母をみとる 第4話 奇怪な話し 叔母をみとる

叔母をみとる 第4話 奇怪な話し

ふみ子が嫁いで間もない頃のこと。ふみ子が姑の言いつけで買い物に出かけている間に、店に常連客が血相を変えて飛び込んできた。 「今、川に釣りに行っていたんだが、その釣り場で、ふみ子の父親という人に出会ったんだ」と、その常連客は、初老の釣り人にふみ子の暮らしぶりを聞かれたそうだ。 だいぶ気にかけているよう…
叔母をみとる 第3話 父の葬儀 叔母をみとる

叔母をみとる 第3話 父の葬儀

2005年3月14日 父の葬儀は、親族はもとより、町内の方々や父の友人、私たち夫婦の友人・仕事仲間、クライアントまで来てくれて、しめやかに、そして賑やかにとり行われた。とてもいい葬儀だったと、しっかり覚えているのだが・・・。 父親っ子だった私は、父が家内で亡くなったため警察の検視もあり、只々阿呆のよ…