フォーラム・イン・すみだ2010 参加者の面々

フォーラム・イン・すみだ2010とは、墨田区の現在を象徴する「ものづくり・IT発信・環境・自転車まちづくり・すみだの観光これから」といったキーワードにより、セレクトされたパネラーのディスカッションを見聞し、さらにテーマ別で分かれて、各パネラー主催のディスカッションが行われるといった具合の構成で、最後に名刺交換会が行われる異業種交流型のフォーラムだ。

私は下町で育った4代目ということもあり、地域のためという気持ちは大きい方だと自負しているので、今回、地元のフォーラムに参加してみた。

「ものづくり・IT発信・環境」のパネラーは、墨田区の中小企業の跡取りにあたる方だった。ものづくりは、製本会社でグッドデザイン賞に選定された方。IT発信はアパレル系。環境は食用油で自動車を走らせて話題になった方。自転車まちづくりは、地方出身でプロダクト系のデザイナー。墨田区に興味を持ってこの町に移り住んで20年だとか。すみだの観光これからは、スカイツリーの担当者である東武の方だった。

それぞれ自身の仕事や活動について、すみだとの関係を交えながら熱っぽく語ってくれて、「ああ、みんなこの町が好きなんだな〜!」と思えるフォーラムでした。またこの地域はかつての江戸であり、もともと発展的な土地柄。そこが後に震災・戦災の被害を受け、必然的に1からの再スタートを切ることになる。よって戦後の復興も猛ダッシュで進み、新しいものを取り込んでいける環境にあった。

そんなすみだが、また新たな一歩をむかえようとしている。

それが、タワーのある町!すみだだ。 通常の再開発とは違う大きなうねりがはじまっている。これが成功するか、否かは地元の認識にこそある。生かすも殺すも、一人ひとりのやり方・考え方にあるのだ。タワーは・そこ・にできるだけなのだ。それを普通の再開発のように終わらせないために、町の皆が何をするのか?もしかしたらタワーの中の店舗は、どこぞのファッションモールとかと同じようなものかもしれない。しかし、その周辺のもともとの町の雰囲気や町の産業は、他の地域とは大きな違いがある筈なのだから。

さて、どうなる?すみだ! 今、とるべき道は・・・

どうも昨今、若い人たちが集まってきている地域は少ないというが、墨田区は増えている。しかし、町工場の後継者が不足しているのも事実。昭和40年代のすみだは、若者で溢れていた。その人たちに支えられて育った産業が、今、危機をむかえている。すみだは、こうした悲しい現実も抱えているのだ。 そこで町としては、観光と産業のバランスをとっていこう!という戦略をもっているようだ。

しかし

国際観光者、地方観光者は今のままでは、スカイツリーを見たその足で、浅草へむかってしまいそう。 

これを食い止めるのが、産業技術!ものづくり技術の公開であり、本物の良さを実感できるまちづくりだと思う。 

わたし自身は、焦っても仕方がないとじっくりと腰をすえて、皆の動きを見ています。今のすみだは、熱を帯びた子どものような状態にあり、中々人の意見を聞く耳を持たないでしょう。外から来た波は、ダーッと押し寄せて、グーッと曳いていくもの。しかし、地元はそうはいかないのです。誰かが失敗したものや、かき回したものをしっかりした形にして、生かしていくこと。それが私のやるべきことのような気がしています。 

今は、リサーチしてじっくり一歩先の現実に関する対処を考えることこそ、腰を据えた地元のクリエーターが取るべき道と思っています。 

要するに、もともと地域に詳しいので、資料をリサーチすればするほど、先のことも、いろいろなパターンが見えてくる訳ですから。そして今は周囲にかき回されることを阻止しようとしても無理でしょうし、それなら、その後の、墨田らしい姿を、今から考えて行動する。…実は、もう、はじめています!それが私の結論ですね。

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  • ルラックのクリエイティブmission blog 著者の 株式会社ルラック 代表取締役 紀中しのぶ です。
    どんどん大きな社会問題が浮上していく中で、クリエイター集団の「私たちにできること」をアイディアとして考えていく「仕事のアイディア」では、いくつかのビジネスプランニングが生まれています。デザイン力・企画力・技術力・長年培ってきたノウハウを、この小さい会社の経営者が全ての方に向けて公開していきます。
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