叔母をみとる

父の妹である私の叔母夫婦には子供がなかった。
2005年3月14日に父が亡くなってから、次第にこの夫婦が生活に困窮していることがわかりはじめ、ふとしたことから私と夫で面倒を見ていくことになり、七転八倒していくという、実際に私が経験した壮絶な戦いのストーリー。

現代では意外にも多くの人の目の前に起こる可能性があるようだ。同じような立場にある方がいれば、解決の方法論と勇気が少しでもお役にたてればと思い、いつか、とは言わずに、ここに書き始めることにする。

叔母をみとる 第2話 父との約束 叔母をみとる

叔母をみとる 第2話 父との約束

2005年の秋から冬は、とても忙しかった。お正月に旅行に行ったあとは、仕事に追われていた。 その日、久しぶりに父と私たち夫婦の3人で出かける約束をしていた。弊社に正規で勤務することになったデザイナーの女の子の卒業制作展を見にいくのだ。 場所は私の母校だ。 父は私の時も見に来てくれた。今回はアルバイト…
叔母をみとる 第1話 ふみ子が訪ねて来る! 叔母をみとる

叔母をみとる 第1話 ふみ子が訪ねて来る!

数年ぶりに叔母に合うが・・・ 子どものいない叔母をみとるということ。 1、ふみ子が訪ねて来る! 「おい、ふみ子が来るってよ!」受話器を置きながら、父が目を大きくして嬉しそうに、私たち家族みんなの方を向いて叫んだ。 ふみ子は父の妹で、長男の父を筆頭にした7人兄弟の2番目。要は長女である。その7人のうち…
子どものいない叔母をみとるということ。前談 叔母をみとる

子どものいない叔母をみとるということ。前談

書き進めるにあたって 父の妹である私の叔母夫婦には子供がなかった。この夫婦は40歳になってから結婚した再婚夫婦で、その前にも後にもふたりには子どもがなかった。 叔父はある商家の二代目で、父親が亡くなってからこの店を継ぎ、母親と商いをしているところに叔母が嫁いだ形であったが、姑にも可愛がられ、幸せそう…