叔母をみとる236月2020叔母をみとる 第7話 返済ができない2007年8月、ふみ子の夫の連帯保証人になった。 その時、◯◯信用金庫とふみ子夫婦へ私から出した条件は、2年以内に母屋を売却し、老後の体制を整えること、というものだった。 それからしばらくは何の連絡もなかったので、私もいつもの生活に戻っていった。 2・3ヶ月経った頃に、私もふみ子のことが気になってい… 続きを読む
叔母をみとる156月2020叔母をみとる 第6話 連帯保証人自宅へ帰るなり私は、息急き切って夫の伸さんに、今日の出来事をすっかり話しだした。まずは相談というよりも、びっくりした気持ちを聞いてもらいたくて、事細かに話していった。 しかし伸さんは、う〜ん、そうか、大変だったな〜。と言って熱心に聞いてはくれたものの、あまり驚く様子はなかった。 不思議に思って問いて… 続きを読む
叔母をみとる16月2020叔母をみとる 第5話 土地を買う父の3回忌から間も無くして、ふみ子から電話があった。ちょっと相談があると言うのでその週末に叔母のふみ子夫婦の家に出かけていった。 「先だっての法事はお天気もよく、長閑かな感じで執り行われて、これも来てくださった皆さんのおかげだと思うよ。」とお礼を言うと、叔父たちは「お前もこれで父を亡くしてしまって淋… 続きを読む
叔母をみとる215月2020叔母をみとる 第4話 奇怪な話しふみ子が嫁いで間もない頃のこと。ふみ子が姑の言いつけで買い物に出かけている間に、店に常連客が血相を変えて飛び込んできた。 「今、川に釣りに行っていたんだが、その釣り場で、ふみ子の父親という人に出会ったんだ」と、その常連客は、初老の釣り人にふみ子の暮らしぶりを聞かれたそうだ。 だいぶ気にかけているよう… 続きを読む
叔母をみとる195月2020叔母をみとる 第3話 父の葬儀2005年3月14日 父の葬儀は、親族はもとより、町内の方々や父の友人、私たち夫婦の友人・仕事仲間、クライアントまで来てくれて、しめやかに、そして賑やかにとり行われた。とてもいい葬儀だったと、しっかり覚えているのだが・・・。 父親っ子だった私は、父が家内で亡くなったため警察の検視もあり、只々阿呆のよ… 続きを読む
叔母をみとる125月2020叔母をみとる 第2話 父との約束2005年の秋から冬は、とても忙しかった。お正月に旅行に行ったあとは、仕事に追われていた。 その日、久しぶりに父と私たち夫婦の3人で出かける約束をしていた。弊社に正規で勤務することになったデザイナーの女の子の卒業制作展を見にいくのだ。 場所は私の母校だ。 父は私の時も見に来てくれた。今回はアルバイト… 続きを読む
叔母をみとる85月2020叔母をみとる 第1話 ふみ子が訪ねて来る!数年ぶりに叔母に合うが・・・ 子どものいない叔母をみとるということ。 1、ふみ子が訪ねて来る! 「おい、ふみ子が来るってよ!」受話器を置きながら、父が目を大きくして嬉しそうに、私たち家族みんなの方を向いて叫んだ。 ふみ子は父の妹で、長男の父を筆頭にした7人兄弟の2番目。要は長女である。その7人のうち… 続きを読む
叔母をみとる15月2020子どものいない叔母をみとるということ。前談書き進めるにあたって 父の妹である私の叔母夫婦には子供がなかった。この夫婦は40歳になってから結婚した再婚夫婦で、その前にも後にもふたりには子どもがなかった。 叔父はある商家の二代目で、父親が亡くなってからこの店を継ぎ、母親と商いをしているところに叔母が嫁いだ形であったが、姑にも可愛がられ、幸せそう… 続きを読む