ドラッグストアが飽和状態になる昨今、地域に根ざす薬屋さんに勝算はあるのか?
2000年に98件だった件数が、2007年では263件に増加したドラッグストア。以後、同業者間の買収・経営統合、調剤薬局との業務提携による組織再編が行われる中、コンビニエンスストアや家電量販店の参入が相次ぐ。それを横目に見てきた地域に根ざす薬屋さんがいる。私の地元エリアにもこういった薬屋さんは数軒ある。その中で、薬と化粧品専門に扱う、昔ながらの店について考えてみることにした。
当然、昔のように大勢のお客さんは来なくなってきている。しかし細々とがんばる薬屋さんには、いつも少しだけど年配のお客さんの姿がある。私の母もよく伺って、お店の方と話し込んで何か聞いてくるようだし、そんな様子をよく見かける。さて、そんな地域に根ざす薬屋さんの良き未来像とは?
プラスのアイディア
まず、お店がなくなっちゃう原因のひとつに、後継者不足があるというのは以前にもあげたが、薬屋さんも同様で、後継者は大学病院の薬剤師になっちゃったりしている。しかし薬剤状況は目まぐるしい、そういう現在の薬剤知識のある方こそ、地域の薬剤師になってほしいものだ。
今、ドラッグストアは合戦の末、現状を生き抜くために地域密着型の販売形態に囚われない事業展開や、ユーザーの利便性を重視した店舗戦略の方向へと進んでいるようだ。要は、大量仕入れ&低価格販売だ。
そこでコスト競争ではかなわない小規模店舗は、何か他のメリットを掲げるべきだろう。しかし、よくある胃の相談日、疲れ目の相談日…とか、症状で個人を呼び込むものは、今までやってきているのでNG。
(1) さて、まずは勉強からはじめるべきかもしれない。まず「胃がおかしい」とひと言でいっても、どうおかしいのか?お腹が空いてくると痛む、お腹がいっぱいになると胸焼けする、胃酸が上がってくる。など、たくさんの症状がある。それに合わせて市販薬の種類も違うし、同じ内容でもメーカー違いがある。…そんなことは、薬屋さんならわかっているはず。だが、それをお客さんがわかるようには、伝えていない。
しかも、新しいウイルス系の風邪など、ドキドキさせられる病気に関しては、ユーザーは無知である。こういった、まだかかっていないが、普段から知っていれば良かったと思う病気の知識に関する事項は結構多い。これを地域の皆に伝えていこう。
(2) そういった店頭セミナーを受付開催していくのである。まずは、いつも来てくれるお客さんに開催内容(たとえば、胃の病気と秘密の機能)を伝えて来てもらおう。
● 今回のテーマは、胃の病気と秘密の機能 です!
● 開催日
● 開催時間
● お茶が出ますよ!
● みんなで話してみませんか?
など を明記したリーフレットを作成してください。
(3) いつも来てくれるお客さんに、リーフレットを数枚渡して、お友達と来てね!一緒にお茶でも飲みましょう。と声をかけましょう。そのいつものお客さんは、メインユーザーであり、クチコミ部隊です。この方を大切にしてください。良いセミナーができれば、人の輪は広がり、いつものお客さんが増加していくはずですし、評判も上がるでしょう。
(4) セミナーは、はじめは5〜6人を対象に締めきり、人目に少し触れる店頭にスペースをとって行います。
とは言っても、そのセミナーで何を行ったら有効か? 当日、どういう進行をすればいいのか?リーフレットの作り方、もっと広範囲に配る手法がわからない…。など、困ってしまうかもしれませんね。その辺りは、また後日、記述していこうと思います。