クリエーターとして役立った、ヘナチョコ技術
デザイン関係の企画制作を行うプロダクションには、弊社のようにクリエーターが経営者というところと、経営を勉強した営業系出身の社長が経営者と言うケースがある。
この二つ、外からは同じような組織に感じるかもしれないが、内容はかなり違う。どちらも利点欠点はあると思うが、今回は制作畑のクリエーターが経営者になって、意外にも役立ったことをお話しよう。
※上記二つの組織の利点欠点ばなしは、次号以降でお話しします。
まず、クリエーターが経営者の場合、クライアントから一番要求されることは企画力とデザインやコピーなどの制作力、それから制作チームをまとめるボスとしての器量だろう。
最近は不景気でたくさんの量の仕事をこなさないとどこのプロダクションもやっていけないので、みんな多くの仕事を抱え、四苦八苦しているのが現状だ。
だから10本くらいの仕事が常時動いている訳だ。
同じような内容の連絡が他所から入ってくる。クライアントからも、スタッフからも・・・。そして細かな修正内容も受けることになる。
もちろんメモは取るがそんなもの、役に立たないくらいタイムリーに情報内容が変わっていく。時間に追われているのだ。
それをうまくさばくことも、クリエイティブディレクターの大切な役割だ。
そんな時、クリエイティブディレクターは、どうしているのか?・・・
わたしの場合、こういう場面に役立っているのが、意外なことに中学生くらいの時、試験の一夜漬けのために身に付けた記憶術だ。
兎に角、人からの連絡や見たものなど、その日時と共に何でも覚えちゃうのだ。そうしておいて後から、これを整理してスケジュール帳などに移す。この時、記憶が繰り返されるのでより鮮明になる訳だ。
記憶できるってことは、たとえば、誰かを取材をする時なんかにも凄く役立った。取材させていただいている人の1〜2時間の話しを録音したようにそのまんま、覚えちゃう。(もちろん本当に録音もするが)
取材後、その内容を箇条書きにまとめて、実際の記事にした場合の構成を練る。
で、これと、本当に録音したデータをコピーライターに渡せば、思い通りの仕上がりが期待できると言う訳だ。
実際、記憶術にはいくつかの方法があるようだし、わたしはその道のプロではないので解説は控えるが、便利だなと思った場面を記述しよう。
- クライアントから資料を受け取った時に、その場でササッと見ただけで覚えられるので、スグに突っ込んだ打ち合わせが可能である。
- ハイスピードで読むというか、見ているだけと言う感じに見えるようだが・・・、その見たものを記憶できるので、マニュアル的な大量な資料も記憶できるしと、いろいろな場面で役立つのだ。
- 昨今のデザインや企画制作とは、全くない新型兵器を造り出すのとは違う訳で、現状ある多くのものを見たり聞いたりして覚えておくことが、まずは大事なのだ。
その上に、さらに形を変えたり、内容を変化させて新しいものを創り出していくこと。これがクリエイティブと言えよう。
まさか今になってこんなことが役立つとは思っても見なかったので、非常に意外に感じている。
わたしの“意外に役立つヘナチョコ技術”といえば・・・、速読もどき、とか、読心術もどき、とかもあるので、機会を見てお話しようと思う。