電子書籍の時代のクリエイティブとは

「趣味は読書」という斎藤美奈子さんの本をご存知だろうか?自称・他称の”本好き”は、人からベストセラーの感想を聞かれることが多いため、いろんな本を読まないと・・・、だが本好きにはベストセラーを敢えて読まないという、私みたいなヤツも以外と多いと思う。で、「わたしが代わりに読んであげました」というのがこの書評本である・・・。と、ある書評家が随分前にブログの中で、この本のことを書いている。「2003年の出版なので歴史的にもベストセラー評価確定の本ばかりである。それなのに、見事なのは、どの書評も面白いのだが一冊も読んでみる気にならないということ(笑)。」と。そして、その理由に、「みんなが読んでいるものを読んでおきたいという読者の心理を刺激するマーケティング手法である。」と挙げている。また、「だが、ここ数年でブログに書評を書く人が増えて、本探しの状況は変わってきているかもしれない。かなりマイナーな本でもブログ検索に書名を入れると多面的な感想や書評エントリが複数出てくるようになった。知る人ぞ知る本を自力で探して、自分なりの評価を表明するということが誰にでもできるようになった。」とも言っているのだ。

弊社(株)ルラックは、昨年末に『インディーズ文庫C・HIMEレーベル』を立ち上げたばかりだ。上記の書評のように読書のあり方も大きく変わってきていると思う。読書好きの自分が編集者としてではなく、クリエイティブディレクターのままの目で、作家とぶつかり、格闘して、いいものを世に出そうと思ってのプロジェクトだ。

私がクリエイティブ業界に入った頃は、広告は言わば、大衆向けの商売だった。しかし今は、違う。今後、パンフレットやカタログも、ピンポイントで一人一人に届くメッセージが必要になるだろう。なぜなら、電子配信により、必要な人が、必要なものだけを取り出せるようになっていくから。

今後のクリエイティブ制作のポジショニングは・・・

(1)情報を征するものクリエイティブを征する。

(2)とは言っても、情報を持っているだけでは、また絵に描いた餅だ。情報をうまく運用して、多くのコンテンツ企画を自らが実現していくこと。

(3)中には大衆向けの情報もうまく組み込んで、自らが実行すること。今や、クライアントは後からついてくるものと思う方がいい。力のある人に、人も企業もついてくる。

この3つを、おさえていくことが、これからのプランニングであり、クリエイティブディレクターに必要なことだと思う。

こうすることで、その企画は実る。誰かを待っていても未来は遠いのです。

cnobu
  • cnobu
  • ルラックのクリエイティブmission blog 著者の 株式会社ルラック 代表取締役 紀中しのぶ です。
    どんどん大きな社会問題が浮上していく中で、クリエイター集団の「私たちにできること」をアイディアとして考えていく「仕事のアイディア」では、いくつかのビジネスプランニングが生まれています。デザイン力・企画力・技術力・長年培ってきたノウハウを、この小さい会社の経営者が全ての方に向けて公開していきます。
    「 しのぶ奇譚」では、私自身の体験談を記載していきます。七転八倒しながらアップダウンの大きな人生を歩んできました。この生き方が、誰かのヒントになったり、怖い体験では、ハラハラしたりと、少しでもサイトを楽しんでいただけたらと思っています。
    未来の素敵なニッポンへ、私たちと一緒に一緒に向かいましょう。