現在、観光事情・山形編

観光業界のクライアントも多いわたしにとって、風評被害は非常に気になるところ。北関東までは気軽に見に行けるものの、東北エリアはじっくり見聞する時間がないままになっていたので、GWはその実情見聞も予て、6年生の甥っ子を連れてファミリーで米沢・小野川温泉の常宿を訪ねた。

7:00出発でスカイツリーの町を後にするが、東北自動車道がすっごい混雑で、常磐道で行くことに。途中、福島に近づくと自衛隊の車に行き交う。大回りしたこととGWの渋滞で1: 30米沢着。市内のそばやで遅い昼食をとる。
田舎蕎麦なのだが、よくあるぼそぼそしているやつと違って、つるりとしていて中々に美味い。

上杉神社では恒例の武者イベントは、9月に延期。宝物館は閉まっていた。しかし遅咲きの桜は満開で、いつも通りの縁日で参道の賑わいはある。イベントがないので人出はいつもの半分もないかな。おかげで上杉神社にお参りができた。上杉邸も静かな佇まいを見せていた。麗しい光景を楽しめた。

小野川温泉について御主人や仲居さんにお話しを伺うと、さすが老舗の旅館だけにここのお客さんの数に変化はないようだ。しかし周囲はそうではない。イベントの中止を受けて、市内の観光者はかなり少ないのだ。そういえば、町の店舗では観光者の姿を見なかったし、いつもなら賑わっている店にお客さんがいなかった。

関東では味わえない温泉の素晴らしさと、素朴なのに絶品な料理、普通に使っている肉が米沢牛という、ゴージャスじゃないから、よけいに贅沢なのがこの旅館の食事だ。風呂に浸かりながら、みんな挨拶してお話をする・・・、小野川温泉は良いところだと。この意味は東北の老舗に行かないとわからないと思う。

夜になって足湯をぶらぶらしてみると、以外に若い人たちが多いのに気づく。そういえば昨年くらいから若者たちが多くなったなと感じる。誠にうれしいことだ。

明くる日は、江戸桜の大木がたくさんあり、非常にのどかな烏帽子山公園千本桜を目指して出発。

東京のようにお酒臭い花見と違って、うるわしく、おとぎ話の世界に迷い込んだような気分だ。
赤湯八幡・赤湯と行き、念願の三大熊野のひとつである熊野大社へ。ここは歴史好きにはたまらない、古事記の世界だ。神代の暮らしぶりが、脈々と伝わる不思議な場所。これだけのものがしっかり保存されているっていうだけで、もう、ここは素晴らしい。わたしにとっては先祖との関わりを少なからず覚場所でもあります。

昼食は、昭和の町並がつづく、ファミリー恒例のミニスクリーンのある喫茶店へ。この町もまたタイムスリップしたような場所。昔の駅もあるし・・・。メトロに乗ってきちゃったっけ?と思うくらい。また高畠の道の駅で、フルーツ王国・山形ならでわのサクランボのジャムやキイチゴのジャムを購入して旅館へ帰った。

そういえば、毎年、同じお客さんと顔を会わせるのだが、今年はそれがない。仲居さんと話してみると、やはり遠方のお客さんは減っていた。
あの地震でもたいして揺れなかったというし、停電も全くなかったそうなのにだ!
ま、その分、近隣の方々で賑わっていたので良かった。
ここは12・3年前までは、もっと湯治場の雰囲気が色濃く残る温泉場だった。今でも調理台や何かは備わった場所があるが、そのころまでは大きな混浴の温泉だったのだ。仲居さんと昔話に花を咲かせて、近隣の人たちから愛され続けている様子もうかがえた。

翌朝10:00出発、大きな本堂に大黒様が祭られている山寺の大黒堂、見事な社をもつ笹野観音と、いつも寄る場所をめぐりながら帰路へと向かった。

笹野観音でははじめて住職とお話しすることができた。木造の本堂や屋根の保存に人力を注いでいらっしゃるというお話だ。
「大変だから、他寺は立て替えちゃうんだよね〜」などと屈託なく話してくださる様子に、大らかさと土地を愛でる気持ちが伝わってきた。

風評被害は?の問いに「いや〜、ただ山形に来てくれるだけでうれしいんだよ!」と言って笑っておられました。

笹野観音は古代の社って感じです。ここに来たら、社の真後ろまで回って、後ろもお参りしてください。歴史の重みにクラリとするかも。社殿の後ろがどうなっているのかは行ってのお楽しみですよ。

ニッポンがんばる運動

風評被害を考える・・・

帰ってきたら、友人からどこ行ってたの?と聞かれて、山形に。と答えたら、目を丸くしていた。よく帰って来られたわね!だって! こういう感覚が、風評被害を招いているのだろう。
埼玉在住の友人は地域の野菜は怖いから食べないようにしているという。埼玉も原発から近いし・・・っていうことだが・・・。

基準値検査をクリアしたものなら食べましょうよ。
山盛りの放射性物質をむしゃむしゃ食べるわけではないのだから、少々の残留物は洗い流しましょう。それに、食べておかしくなる前に、わたしの場合は寿命が来るね。

埼玉の人たちの中には地域の食材を食べなくなっているという風潮すらあるようだ。地産地消はどこへ行ったのだろう。こんな時こそ、地域のものを地域で大丈夫!って言って食べようよ。

みんな何かあっても、自分だけ助かればいいって言うのだろうか。

いまこそ、地域の、地場産の、っていうのを大いに宣伝して、全国の地産地消をもっと盛り上げてください。それに関東以北も乗っかっていきましょう。

いまやるべきこと。いま必要なことを成し遂げる、それこそが、がんばるニッポン運動!
もう一度、自分の中にある真意を見つめてみよう。そこから日本の真が見えてくる。

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    どんどん大きな社会問題が浮上していく中で、クリエイター集団の「私たちにできること」をアイディアとして考えていく「仕事のアイディア」では、いくつかのビジネスプランニングが生まれています。デザイン力・企画力・技術力・長年培ってきたノウハウを、この小さい会社の経営者が全ての方に向けて公開していきます。
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